皆さま、こんにちは！
ホテルマリノアリゾート福岡
副総支配人兼婚礼支配人の
なおくんこと、山下 直
9月18日 水曜日の”なおくんブログ”
1,404号です。
一昨日、仕事が終わり帰宅したら
何とも懐かしい、「渡る世間は鬼ばかり」の
スペシャルがTVで流れてた。
ボクが割とガキの頃からやってる
超ロングランのドラマ。
ガキの頃はあのドラマの面白さが
当然理解できないでしょうから
マトモに見たことはほぼありません。
今も面白さは理解できておりませんが
長いなーというのは解るのと
違う視点で面白さを感じ取れる。
子役で出てた”えなりかずき”君も
立派な大人になり、
離婚するのしないので、
角野卓三さん扮するハゲオヤジに
ガッツリ怒られてる。
時代の流れを感じつつ、
その中でボクが一番気になったのは
このドラマに出てくる
飲食店の数々が
”成り立っているのか？”
問題。
あのドラマに欠かせない
主人公たちが営む
”幸楽”という街の中華屋？と
”おかくら”というちょっといい感じの
和食割烹の店。
色んな物語が、この店たちを基軸に
広がっていく。
さて今回は”幸楽”について
みてみよう。
ボクがTVを眺めてて
まず目を見張ったのは
スタッフの多さ。
あの店、街の中華屋というか
要はラーメン屋でしょ？
どうひいき目に見ても
高級店とは程遠い。
それなのに、TVに写り込んでる
料理人の人数だけで、
4人かな？
角野卓三さんを筆頭に
時々TVで見かける名脇役の
俳優陣が2人、そして若手の
見習い料理人。
あれは娘婿か？
そして表周りは、昔から出てる
パートと思しき、ぽっちゃりさんと
卓三の娘、それにピン子。
合計7人か。
場面は東京であろうから
皆さんの人件費を
首都圏価格を考慮して
勝手に計算してみる。
１、卓三（オーナー） 35万
２、ピン子 20万
３、料理人A 28万
４、料理人B 28万
５、若手料理人 20万
６、パートA 18万
７、パートB 18万
〆て、税引き前給与で167万円。
それに多少の残業代名目で
月間5万くらい見るとしましょう。
皆さん、割と近所から
通勤してると仮定して
通勤交通費が2万
更に、法定福利が約16％位でしょうか。
それが月額約27万くらい。
総額で、人件費だけで
195万前後かかるね。
じゃあ次は、
売上を予想してみます。
どう見ても、20席くらいしか
見当たらない。
しかし、最近２Fを改装したらしく
10人位の団体が取れるらしい。
【お昼の営業】
どうがんばっても、多分客単価1,000円。
20席を満席にして、2回転で
40,000円の売り上げ。
毎週日曜日が店休日で
25営業日で、昼の総売り上げ
1,000,000円
【夜の営業】
さすがに、2回転はしないだろう。
1回転満席にしてあげたとして
ビールも飲んで、約2,000円の20名。
これで40,000円の売り上げ。
昼同様、25営業日で
約1,000,000円の売り上げだね。
週末は、金曜日と土曜日に
２Fの個室で団体予約が入ります。
町内会の寄合や、
親父バンドメンバーの飲み会など。
料理、飲み物で4,000円×10名＝40,000円
週に2宴会の4週で、宴会月間8件
売上320,000円
そうすると、総売り上げ
昼100万、夜100万、宴会34万
計、234万円。
おっと！
原価計算がまだだったね。
料理、飲み物で恐らく
25％くらいかな？（オマケして）
すると、58万5千円が
食材と飲料の仕入れで飛んでいく。
あーあ、原価と人件費だけで
売上額を上回っちゃった。
幸楽は店舗兼住居だから、
家賃は要らないとはいえ
ローンはまだ残ってるだろうし
改装もしたから、減価償却もしなきゃ。
水道光熱費、消耗品、通信費
目に見えない費用がけっこうかかる。
オマケに、卓三は仕事上がりに
店のビールを毎日1本
飲んでいる。
これは原価に含まれてないし
先日はピン子が店の食材を使い
勝手に弁当作ってた。
これも原価には含まれない。
こんなんじゃ、この”幸楽”は
物語は成り立つが
店は成り立たない。
成り立たせるには、各人の給与を
ガッツリ下げるか、スタッフを減らす
必要がある。
給料をガッツリ下げたら、
今度は生活が成り立たない。
だったら、リストラして
その様子や、次の仕事で頑張る様を
ドラマにしたら成り立つかもしれない。
いかがでしょうか。
ボクの仕事柄気になったことなんですが
こんな目で見ると、違う意味で面白い。
もし次、機会があれば
”おかくら”についても
分析してみたいと思います。
題して、”おかくら”は
ミシュランの星を獲れるのか？
にしたいと思います。
